A) 診療編

ご予約の患者様でいっぱいなため、直接来院は対応しておりません。当院は1週間前からのWEB完全予約制となっています。前日の夜、当日の朝分の予約枠をその都度増枠します。ただし、急病の場合には、ご予約がとれない場合はお電話いただきましたら可能な限りは対応させていただきますのでまずはお電話いただきたいです。

当院では生まれたばかりの赤ちゃんから中学生まで(0歳から15歳)を診療対象としておりますが、アレルギー疾患などのお子様はその後も継続して診療している場合もございます。
保険証がまだ届いていない新生児さんでも受診できます。
保険証が無い場合は、一旦自費負担での診療となりますが、月内にクリニックにお持ちいただければ、差額返金をさせていただきます。

ご予約の際に、2人分の予約をとっていただくことをお願いいたします。
早い時間の予約時間にご来院ください。ご兄弟一緒に診療室に入っていただき診察いたします。
もし予約がとれない場合はお電話でご相談ください。

診察を行い、症状に合わせて、専門的な治療が必要と医師が判断した場合には、紹介状を作成し、予約、お渡ししています。
お子さまの状態によりそれぞれの専門機関に紹介することも可能です。

双子用ベビーカーも入れるくらいのスペースがありますのでご安心ください。

お子さまだけでの来院は、基本的にご遠慮いただいております。
診療においては、症状や経過のほかに、これまでにかかった病気のこと(既往歴)、家族や親類の病気のこと(家族歴)の聞き取りが重要になりますし、検査の際には、説明をしたうえで同意をいただくことも必要です。治療方針や注意事項などについてもできる限り詳しく説明をしています。
そのようなことからも保護者の方(または病気の経緯がわかる方)との来院をお待ちしています。
中学生以上のお子様でどうしてもの場合は、電話でご相談ください。

子どもはよく頭を打ちます。体の割に頭が重く大きくて、体のバランスをとることも転び方もうまくできないので、転ぶと顔や頭が先に落ちます。
年齢によって危険性はちがいます。生後6か月ぐらいまでは、ベッドから落ちても脳内出血など重症になる可能性があります。
床の材質として、コンクリートやアスファルトや石や鉄板などは衝撃が強く、30~50㎝の落差でも危険です。

頭を打ったあと、意識がない・けいれん・大量出血・頭が異様にへこむ等の症状があれば、ただちに救急車を呼びましょう。

直後に泣き出すことは、意識がはっきりしていたことを示します。その後、特に変わった様子がなければ、そのまま様子を見ていいです。
打った箇所を氷水か保冷剤で約20分間冷やすと、コブや内出血は小さくて済みます。うまく冷やせない場合コブは広がりますが、頭の中に悪影響はありません。
皮膚のへこみは、触ってわかる程度で痛みも少ないなら緊急性はありません。

無症状で、診察して体に異常が見当たらない場合そのまま様子を見ることもよくあります。
ご家庭で様子を見るときのポイントは、『元気さ』『顔色』『嘔吐』の3つです。
だんだん元気がなくなる・顔色が悪い・表情がぼんやりして受け答えがおかしい・繰り返し吐く等の症状のうち、一つでもあったらすぐに受診してください。
受診先は脳神経外科・小児科・外科または救急外来です。
受傷後3時間以内が最も要注意、24時間以内は要注意です。激しい遊びをせず室内で過ごし、お風呂につかるのは止めましょう。
24時間以後は普通に生活しますが、3日間は3つのポイントに注意しましょう。
4日目以後に症状が現れることはまずありません。

当院では、予約システム・WEB問診を導入し院内での待ち時間を短くする事で、感染機会を減らせるよう取り組んでおります。
また、感染症のお子様や免疫が弱い新生児さんなどは隔離室に案内しています。
>院内感染症対策

当院では、湿疹に対して、必要時にステロイドの外用剤をおすすめしています。乳幼児期の治りにくい湿疹には一番安全で効果的と考えるからです。特に乳児期は皮膚が荒れてるとアレルギー感作が進むことは知られています。非ステロイド外用剤で治療することも可能ですが、中等度以上のアトピー性皮膚炎で、治りにくい場合には、最初から非ステロイド治療専門の医療機関に受診されることをおすすめしています。

B) 乳児編

日焼けは日光の紫外線で起こります。紫外線をたくさん浴びすぎると、
① しわやしみなどの皮膚老化を早める
② 将来、皮膚ガンを起こしやすくなる
③ 目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというガンなど)を起こしやすくなる
ということがわかっています。紫外線に短時間当っただけで真っ赤になっても色黒(色素沈着)にならない皮膚のタイプを持つお子さんの場合、紫外線対策は特に大切です。
赤ちゃんのうちから、強い日焼けをしすぎないように注意してあげることは、生涯健康で過ごすために、とても大切なことです。
一日のうちで午前10時から午後2時までに紫外線量が一番強くなります。
できるかぎり、その時間帯に長時間戸外で活動することがないように計画を立てましょう。
最も肌を露出する水遊びは紫外線の影響を受けやすいので紫外線対策は重要です。

低刺激性、赤ちゃん用などの日焼け止めをまず手足のきれいなところに塗って、かぶれないか確かめてから顔にぬってください。
ただ、日ごろのお散歩やお買い物、公園遊びくらいであれば、帽子やベビーカーの日よけで十分です。
塗り薬や虫よけと併用する場合は「塗ぐすり→日焼け止め→虫よけ」の順で使いましょう。

虫にさされるような状況が予想される場合は、長ズボン長袖を着せましょう。肌を極力露出しないことが重要です。
虫除けを使ってかまいません。スプレータイプやクリーム・ジェルタイプがありますが、直接成分を吸い込まないように注意しましょう。
さされたと思ったら掻きむしって腫れる前に、すぐに冷やして虫さされの薬をぬりましょう。腫れがひどい場合は病院でステロイドの塗り薬を処方をしてもらいましょう。
虫刺されからとびひにもなりやすいので刺された後も掻き壊さないようにケアが必要です。

お母さんが飲まれたほとんどのお薬は、母乳の中に分泌されます。
それでも、実際には母乳を飲ませても、赤ちゃんに問題にならないお薬も多いので、処方医や薬剤師におたづねください。

点眼薬を使っても、赤ちゃんの「目やに」がなかなか止まらない時は、「鼻涙管狭窄」(びるいかんきょうさく)の可能性があります。
鼻涙管とは、涙が鼻にむけて流れていく排水管です。
赤ちゃんは体の作りが全て小さいため、鼻涙管が細く流れにくい時(狭窄)は、「目やに」が持続します。
そのような場合は小児科か眼科を受診するようにしてください。

子供は言葉でうまく表現できません。
辛そうにして、泣き止まない時は、重症の病気が隠れていることがありますので、御心配であれば小児科を受診ください。

もちろんです。「このままでいいのかな?」など不安を抱えたまま毎日育児をするのは大変です。
赤ちゃんの便秘は意外にも多いものです。
当院では、赤ちゃんの体重や運動発達のチェック、育児相談などを行っています。お気軽にご相談ください。

C) 感染症・発熱編

健康な子供は、平均して年に5~6回かぜをひくと言われており、子供はよく発熱します。
かぜなどの場合、発熱していても、元気なことがよくあります。水分がとれており機嫌も良い場合は、1~2日様子をみてもよいでしょう。
しかし、子供がぐったりしている、機嫌が悪いなど、何かいつもと様子が違う場合は、重症の病気がかくれている場合もありますので、早めに小児科の受診をお勧めします。

熱が高いと脳が障害される、などと心配される方がいらっしゃいますが、熱が高いだけでそのようなことはありませんので、ご安心ください。
しかし、頻回の嘔吐、けいれん、意識障害などの神経症状がみられる場合は、脳症や髄膜炎の兆候の可能性もありますので、すぐ受診しましょう

熱が高くてつらそうなときは、お風呂は控えましょう。一時的に熱が下がったり、微熱になったときは汗を流す程度のシャワーは可能です。
吐き気があるときや顔色が悪いときなどは控えたほうがいいでしょう。
下痢をしている場合、おしりは洗ってあげましょう。

24時間解熱していることを確認して登園させてください。
解熱していても咳がひどかったり、頻回の下痢がみられたりとしんどそうな場合はお休みしてください。

一度熱が下がっても、防御システムが未熟なため、再び細菌などの動きが活発になり熱が上がってしまう、こうして完治まで上がったり下がったりを繰り返しながら、徐々に平熱へと落ち着いていくのが子どもの発熱の特徴です。
熱が38.5度以上続く、嘔吐(おうと)、下痢、長引くせきなどの症状を伴う、ぐったりしている、機嫌が悪い、泣きやまないなど「いつもと様子が違うと感じるなら迷わず受診してください。
>下がってもまた上がる繰り返す子どもの熱

よくお母さんたちから、解熱剤を使っても2~3時間だけ少し熱が下がって、また上がりますと報告をうけます。
実はそれが正常な反応です。解熱剤は一時しのぎであって、熱の原因(多くは風邪などのウィルス感染)を治すものではありません。
病気の勢いが強いときには、解熱剤を使っても平熱までさがることは少なく、2~3時間で効果が切れて、また熱があがります。
人間の体はウィルスや細菌が体内に入ると、熱をだすことによって、免疫力を高め早く治ろうとします。
熱は治るための大事な免疫反応なのです。
ではなぜ解熱剤を使うかというと、ひとつには脱水を防ぐためです。脱水になると、子供は状態が悪くなるからです。
子供は高熱が出るとぐったりしますが、解熱剤で少し熱が下がるとその間元気になることがよくあります。
その時に水分をよくあげて、脱水にならないようにしてください。
解熱剤を使う目安としては、38.5度以上の発熱ですが、子供の機嫌が良く、水分を飲めているのであれば、必ずしも使う必要はありません。
つらそうにしていたら使用することを考えましょう。
眠っている子を起こしてまで使用する必要はありません。

熱性けいれんとは、乳幼児が熱を出した時に、一緒におこるけいれんのことを言います。
急に手足がピーンと強くこわばることが多く、目がうつろになる、口から泡をふく、唇や顔の色が紫色に変わる、手と足を一緒に大きくピクンピクンと曲げるなどの様子が見られることもあります。
30秒から、長いと2~3分続いた後、力が抜けるように治まり、疲れて眠ります。
生後半年くらいからおきやすく、5~6歳まで続きます。日本人の子では7~11%で起きるとされています。6~7割の子が生涯に一度だけで終わり、繰り返しません。熱性けいれんは通常、1~2分で終わりますが、5分を超えてけいれんしている場合は救急車を呼びましょう。
お子さんが初めてけいれんをしたときには、日中だったらすぐにかかりつけを受診、夜間や休日でも救急外来などにかかりましょう。
初めてのときには、その原因が何かわかりませんからね。

【熱性けいれんの対応】
・通常、数分以内に自然に止まるので、慌てない
・口の中に布・指・お箸などを入れない、舌が上下の歯と歯の間に挟まった場合は押し込む 
・耳元で叫んだり、体を揺すったりしない
・服を緩めて呼吸を楽にする 
・吐いた物をのどに詰まらせないよう、横向きに寝かせる 
・けいれんが続いた時間や体の状況を観察する

風邪をひいた時は、1週間前後鼻水が続き、徐々によくなっていきます。
ただし、10日以上鼻水が良くならずに続く場合は、副鼻腔炎をこじらせているか、アレルギー性鼻炎の可能性もあり、中耳炎が併発している可能性がありますので、小児科や耳鼻科への受診をお勧めします。

ずっと家にいたお子さんが初めて集団生活を始めると、最初の半年くらいは色んなかぜをもらいます。
普通のかぜでは1週間くらいで症状が治まるのですが、いつまでも咳が残るとか、ぜー、とかヒュー、とかいう音が聞こえた場合には軽い喘息の始まりのことがあります。
RSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどの喘鳴をおこしやすいウイルスに罹患した場合でも喘息症状が続きやすいです。
かぜをひいてもいないのに、夜間・明け方に特に発作的に咳がひどくなったり、走ると必ず咳をするというのも喘息の兆候ですので、当院へご相談ください。

夜間の咳こみは、風邪以外にも、喘息、乳幼児では細気管支炎などでも見られます。
早めに小児科の受診をお勧めします。
咳こみすぎて吐いてしまう、横になって眠れない、胸がペコペコしている、オットセイのような苦しそうな咳をしている、顔色が悪い場合は、救急病院の受診をおすすめします。

3ケ月から3歳までのお子さん、とくに1-2歳ごろのお子さんに多く見られ、ウィルス感染(風邪)が原因で起こります。
声がかれる、犬の吠える声に似た咳(ケンケン)、息を吸う時にゼーゼーするなどが主な症状です。
呼吸がつらそうな時は、酸素が必要になることもあります。
緊急で病院を受診する疾患の1つですので急いで受診してください。

子供の嘔吐で一番多い原因は胃腸かぜ(急性胃腸炎)です。胃腸かぜの場合、初日(最初の24時間)は嘔吐を繰り返しますが、2日目までに改善します。
嘔吐以外の症状として、初日の後半、もしくは2日目から下痢が始まり、数日間続きます。
一番心配なのは、脱水です。
一度にたくさん飲ませると、吐くことがよくありますので、1回量は少なく、頻回に水分をあげてください。
しかし、胃腸炎以外の他の病気、溶連菌感染症やアセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)、髄膜炎、頭部打撲でも嘔吐はみられます。
食べたものや胃液が主な嘔吐物ですが、緑色の十二指腸液を吐くことがあります。
こうなる前に急いで受診してください。

はい。当院では隔離室を用意してあります。
WEB問診の段階で、インフルエンザの可能性のあるお子さんは、隔離室の準備ができているので、来院後すぐに隔離室に案内し、他のお子さんと接触しないよう配慮しています。

インフルエンザはかぜに比べて、突然高熱がでて、最初は咳、鼻水は軽度のことが多いです。
新型コロナウィルスも高熱が出る事が多いです。
しかし、症状だけではみわけがつかないこともあります。
熱がでてすぐ検査した場合は、病気にかかっても、検査が陰性のことはよくあります。
12~24時間たつと、検査での陽性率が高くなりますので、発熱翌日以降の受診をお勧めしています。

アデノウィルスは様々な症状の急性感染症をおこします。
よくみられるものに、咽頭炎(39度台の高熱が数日、のどの痛み)、咽頭結膜炎(左記の症状に加えて、目の充血。プール熱とも言われます)、流行性角結膜炎(目の充血、目やにが主症状で、感染力が強い)などがあります。
迅速診断キットで診断ができます。
ウィルス感染ですので、特効薬はありませんが、細菌感染の合併を疑う時は、抗生剤を投与します。

数十年前までは、ただ大きい扁桃腺というだけで摘出手術を行った時代がありました。
しかし、現在ではただ大きいというだけでは摘出手術は行いません。
繰り返し扁桃腺炎を起こし、入院や抗生物質の点滴などを繰り返すお子さんの場合には手術で扁桃腺を取り除くこともあります。
そのほか、溶連菌感染症等の反復性扁桃炎をくり返す場合や、いびきが非常に大きく睡眠中の無呼吸が長く続く場合などは摘出も考慮します。
手術適応のお子様は、こちらから総合病院を紹介します。

いぼや腫瘤などの皮膚に対する処置などは、皮膚科の先生が精通されていますが、例えば感染症による発疹、食物アレルギーの症状が皮膚にあらわれるなどのアレルギー疾患は全身を診る必要がありますので、まず、小児科を受診してください。
必要に応じて、専門医の受診をお勧めすることもありますが、基本的には小児科で診療ができます。

とびひは、虫さされを掻いたり、とびひになっている子と接触することによって汁がついてうつります。
放っておくと1~2日で広がります。
早めの治療が必要となり、塗り薬、抗生剤の飲み薬が必要になる事が多いです。
接触感染ですので症状が局所的であればガーゼで覆えば幼稚園、保育園などに行くのは差し支えありませんが登園許可証が必要な園もあります。

原則として入れますが、保育園や幼稚園によって基準が異なります。
水いぼは、普段の生活の中での接触により感染する可能性があります。プールの水で感染するわけではありません。
プール遊びの際は、ビート板・浮き輪・タオルの共有は止め、ラッシュガードなどで水いぼ部分を隠せばうつしません。
みずいぼの治療として、内服療法(ヨクイニン)、ピンセットでの摘除です。
水いぼがすでに広範囲に広がっている場合は無理に摘除することはおすすめしません。

D) アレルギー編

アレルギー疾患は増加しています。
小学生・中学生の3人に1人が喘息・アレルギー鼻結膜炎・アトピー性皮膚炎のいつれかの疾患を持っています。
アトピー性皮膚炎は、乳幼児の10~18%に、食物アレルギーは乳児の約10%にみられます。
気管支喘息も増えていて、小学校低学年では約10~15%にみられます。
アレルギー疾患は、アレルギー体質をベースに、いろんな環境要因が加わって発症します。
ですから、アレルギー体質がどのくらい、何に対して、どんな悪化因子が関係しているのかについて検査を行い、それを正しく評価し専門学会のガイドラインに従って治療いたします。

お子様の現在の症状と月齢によって、最適な検査時期が違いますので、まずはご相談ください。
心配というだけで、症状がないお子様に検査はいたしません。
生後6か月未満のお子様には原則アレルギー検査はしていません。
お子様の採血時、保護者様は待合室にお待ちいただき、お子様だけ処置室で採血をさせていただきます。
安全面を考慮してしっかり固定させていただきます(場合によってはスタッフ2~3人がかりでおさえないといけません)が、最大限お子様が怖がらないように声掛けやあやしていますのでご安心ください。
こどもが納得するまで説明するようなプレパレーションが本来は望ましいとは思いますが、一般診療の合間では難しいため、御了承ください。

鼻炎症状で当院通院中の5歳以上の患者様で、血液検査等で治療の適応のある方、継続して治療できる方に治療をおこなっています。
当院は、スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法施設となっています。
>トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ

E) 予防接種編

近年、ワクチンの種類が増えてきたこともあり、スケジュールが煩雑なのは当然の事だと思います。
冊子を使って丁寧にご説明し、納得された上で接種いたしますのでお気軽にご相談ください
予防接種のサイトも参考になさってください
>Know VPD! – ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る

当院では出来る限り同時接種を行っております。
日本の赤ちゃんが1歳前に接種するワクチンは6種類、接種回数は16~17回にもなります。
世界中の小児科医が同時接種をおすすめしているのは、予防接種スケジュールが簡単になり、接種忘れなどがなくなる(接種率があがる)だけでなく、予防という本来の目的を果たす意味で非常に重要だからなのです。子どもの免疫の力は弱いのですが、ワクチン10本を同時接種しても、免疫力の0.1%くらいしか使用しません。
そして実際問題として、長い間世界中で使用されて問題が起こってないことが最大の証拠(エビデンス)です。
アメリカでは生後2カ月で6種類を定期・同時接種していました(DPTワクチン・不活化ポリオ・ヒブ・小児肺炎球菌・ロタワクチン・B型肝炎ワクチン)。
B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンは、WHO(世界保健機関)がどんなに貧しい国でも国の定期接種に入れて、無料で接種して国民を守るように指示しているものです。
またWHOでは、おたふくかぜとみずぼうそうも先進国では無料化することが望ましいと勧告しております。
予防接種において、日本はとても「先進国」とはいえない状況です。
実は同時接種の最大のメリットは、通院回数が減ることではありません。
複数のワクチンを同時に受けることで、病気に対する免疫が早期にえられ、早い時期に子どもを病気から守ることになります。
だからこそ、世界中の医師が同時接種をおこなっているのです。
ワクチンの効果や副作用は、同時接種も単独接種と変わりません。
小さな赤ちゃんでも大丈夫、同時接種は世界中で推奨されています。

どちらも飲むタイプの生ワクチンで、重症化を防ぐ効果が90%以上認められており有効性に差はないため、当院では2種類のワクチンをご用意しております。
初回接種は14週6日までとさせていただいております。
ロタウイルスにはたくさんの型があります。その中で一番多い型がロタウイルス流行の65%を占めていて、残りの4型と合わせると90%以上となります。
ロタリックスは一番多い型に対する1価のワクチン、一方、ロタテックは残りの4タイプを合わせた5価のワクチンとなります。
これだけ説明すると、ロタテックの方がずっと優れていそうですが、元々ロタウイルス腸炎は1個のタイプに感染すると、他のタイプに感染しても軽症で済むことが多いので、ロタリックスが1価だからと劣っているわけではなく効果に差はありません。
ロタリックスはヒトロタウイルス株を弱毒して作ったワクチンなので、腸の中でよく増え2回接種します。
ロタテックはウシロタウイルスにヒトロタウイルスの遺伝子を遺伝子組み換えによって組み込んだワクチンなので、人の腸内での繁殖が悪く、その分抗体獲得率も低く、ワクチンの1回内服量を0.5ml多く接種回数も3回にすることによって同等の効果を獲得できます。
長期効果も証明されております。

気づいた時に、母子手帳を持ってできるだけ早く、窓口までご相談ください。
忘れているのは、あなただけではありませんので、安心してご相談ください。

日本小児科学会の考えに沿って、子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るためには、特に乳幼児期には、多くのワクチンを接種する必要があると考えております。当院は、VPDを知ってこどもを守ろうの会員でもあります。ですので、ワクチン未接種の患者様には、接種をおすすめしておりますのでご了承ください。

PAGE TOP